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年の初めに日向薬師へ [寺・神社]


日向薬師本堂.JPG

年の初めに日向薬師(神奈川県伊勢原市)のご開帳に行きました。ご本尊は平安時代前期に作られた鉈彫り(なたぼり)の薬師三尊像。秘仏なので年に3回(正月3カ日、1月8日、4月15日)のご開帳です。金沢文庫の展覧会でお会いして、いつかはお寺に行きたいと思っていました(そのときの記事)。小田急伊勢原駅からバスで20分、景色はすっかりのどかな山里です。源頼朝や北条政子も鎌倉から参詣したと伝えられますが、馬や籠に乗ってきたのかしら…。明治の廃仏毀釈までは日向山霊山寺と称し、大寺院だったそう。近くには大友皇子のお墓と伝えられる場所もあります。

日向薬師参道.JPG

バス停近くの山門から本堂まではうっそうとした森の中を15分ほど登ります。ご本尊の薬師三尊像は宝物館にいらっしゃり、その他に阿弥陀如来や四天王、十二神将など20体以上の仏像が収められています。左右にお祭りされている鎌倉期の阿弥陀如来坐像と薬師如来坐像は2メートル以上の大作。ここが修験の中心だったことを想像させました。ただ、残念なことにお会いしたかったご本尊の薬師三尊像には近寄れる状況ではありませんでした。というのも、宝物館の中には椅子がずらりと並べられ、ご住職が参拝客に着席をうながしながら説法を続けています。会場は満席、説法は全く終わる気配がありません。ご本尊はほとんど注目もされず、拝まれることもなく、宝物館の上座にひっそりと納まっていらっしゃいました…。ご開帳というよりご住職の説法会といった様相です。

モヤモヤした気持ちでお寺を後にし、帰りは七沢温泉方面に山を下りました。日帰り入浴で温泉につかり、「ZUND-BAR」の行列に並んでAFURIのラーメンを食べて帰路につきました。

AFURI.JPG


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松尾芭蕉のゆかりの義仲寺 [寺・神社]

2日目は松尾芭蕉のゆかりの義仲寺へ。前日に観光マップをみていて、宿の大津駅からほど近いことがわかり、お散歩かたがた歩いて行きました。小さい敷地ながら見どころは多く、居心地の良いお寺です。木曽義仲と松尾芭蕉のお墓が並んでいて、その墓石は「芭蕉翁絵詞伝」の「義仲寺の図」(江戸時代)そのまま変わっていません。一方、たびたびの火災や洪水で何度も壊滅の危機に瀕して、そのたびに再建になっています。援助に力を貸したのは大きな寺院ではなく、個人の篤志家だそう。芭蕉もその一人といっていいかもしれません。プライベートな思いがつながって、ここまで続いてきた義仲寺です。


芭蕉翁絵詞伝 義仲寺.jpg
芭蕉翁絵詞伝 義仲寺の図


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延暦寺釈迦堂内陣特別拝観秘仏ご開帳 [寺・神社]

延暦寺 西塔釈迦堂 ご開帳.jpg
延暦寺釈迦堂内陣特別拝観秘仏ご開帳
平成29年10月1日(日)~12月10日(日)

紅葉の季節、三十三年ぶりの延暦寺西塔釈迦堂秘仏本尊のご開帳へ。延暦寺には滋賀県側の坂本ケーブルで入りました。日本一長いケーブルカーですごい急坂を11分間登ります。昔の人はこの坂道を歩いて上り下りしたのだから、覚悟のほどが違います。

延暦寺は最澄さんと同じであか抜けないけれど実直な感じがいいです。もったいぶったりしません。今回のご開帳も釈迦堂の内陣まで入ることができました。入堂の前には僧侶から香水を頭に降り注がれます。内陣は外陣よりも低い土間になっていて洞窟の中に入っていくよう。外陣とははっきりと区別された空間で空気が違います。中には4つの祠があって、神仏習合のかたちがそのまま残っています。ご本尊の釈迦如来立像がいらっしゃる須弥壇は外陣と同じ高さになっています。外陣とご本尊との高さが同じで、内陣だけが低くなっている仏堂は天台宗特有の構造だそう。外陣からは一段低い土間越しにご本尊を拝することになります。ご開帳のお釈迦様は小柄でおだやかなお姿。おそばによりたいなぁと思わせますが、目の高さは同じでも深い溝があって近づけない…。もどかしいです。見上げる仏さまとはまた違った心持ちになります。これが誰でも仏になれる(=同じ高さにある)けれども煩悩があって思い通りにはならない(=深い溝がある)という天台宗の教えを表しているのだそうです。実際に内陣に入ってみて、確かにそこが外陣とは違う神聖な場所だと実感できました。

帰りは少しでも比叡山の「山」を体感したくて、歩いて下山しました。うっそうとした木々に囲まれた急な坂道が続きます。もう日も暮れかけていて、誰もいない山道を降りるのは心細かった…。下山できて心底ほっとしました。一日の無事を感謝して日吉神社にお参りし、旅の1日目は終わりです。

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日帰り宇都宮旅行 [寺・神社]

日帰りで宇都宮へ。初訪です。栃木県立博物館の「中世宇都宮氏」展を見に行きました。駅前でレンタサイクルを借りて(100円)、まずは市内観光。

清巌寺(せいがんじ)
駅からほど近い浄土宗の寺院。宇都宮家8代城主の貞綱が1312年に亡母の十三回忌の供養に建立させた鉄塔婆(重要文化財)があります。本来は屋外にあったのでしょうが、今は出入り自由の収蔵庫に高さ3m以上もある鉄塔婆がぽつんと収まっています。境内にはだれもおらず、収蔵庫の開け閉めや電気もセルフサービスです。

清巌寺 鉄塔婆.jpg


二荒山神社(ふたらやまじんじゃ)
こちらはお宮参りの参拝客でにぎわっていました。ここには重要美術品に指定された鉄製の狛犬と兜があります。調べてみると、栃木の鋳物は平安時代からの古い歴史があって、藤原秀郷が河内の国から5人の鋳物師を佐野に移り住まわせて武具を制作させたのがその始まりだそう。現代でも天明鋳物(てんみょういもの)として続いているそうです。

一向寺(いっこうじ)
一向寺の阿弥陀如来坐像も木造ではなく、本体は銅造、蓮華座は鉄製の鋳造です(室町時代、重要文化財)。仏さまの衣には文字がびっしりと刻まれていて、宇都宮家12代城主の満綱が願主となって、約350人が血縁して造立したことがわかるそうです。一見、普通の阿弥陀様にみえますが、350人もの戒名が書かれた体躯はなかなかヘビー。ここも収蔵庫が開いていて、出入り自由でした。

一向寺 阿弥陀如来坐像.jpg


今回、巡った3社寺すべてに鉄や銅製の文化財が伝わっていました、栃木といえば大谷石で有名なので石の文化なのかと思っていましたが、大谷石の採掘が本格的に始められたのは江戸時代の中頃だそう。「鋳物」の歴史の方がずっと長いのですね。

タグ:仏像
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かくれ里の火祭り「広河原の松上げ」(京都) [寺・神社]

松上げ3.jpg
広河原の松上げ(京都市左京区広河原)
2017年8月24日

京都の山間でお盆の時期に行われる火祭り「松上げ」。白洲正子氏の「かくれ里」で読んで以来、いつか行ってみたいと思っていました。京都市北部のいくつかの土地で伝承されているそうですが、どこもかくれ里だけあって路線バスでの日帰りはできません。今回は京都バスの鑑賞ツアーで広河原という場所の松上げに行きました。

京都市中心部からバスで2時間ほど、街灯もない山道でバス一台がやっと通れるような狭い道が続きます。いくつかの峠を越えると、川沿いの平地にでました。真っ暗だから、どんな場所なのかさっぱり分かりませんが、バスを降りて会場へ。

四方を山に囲まれた狭い空には満天の星が瞬いて、別天地に来たような気分です。天の川は見えているのに、目の前にあると思われる川は暗くてわからず、河原には「地松」と呼ばれる背丈ほどの燈籠台が何百本、いや千本以上も立てられています。すべての松明に火をつけ終わるのに30分ほどもかかったのではないでしょうか。いよいよ「松上げ」が始まります。運動会の玉入れのように、籠の部分に松明をくるくると回しながら投げ入れ、いくつかの玉が命中すると籠中の薪が大きな炎を上げて燃えだします。思わず拍手。なんだか一体感。大きく燃えた籠は最後には地面に倒され、男衆が力を合わせて川の中へ。残り火がしんみりとした気持ちにさせます。火祭りっぽく荒々しいところもありますが、幽玄さの方が勝る、いかにも京都の火祭りでした。

それにしても広河原という里山はどんなところなのでしょう。街灯もない夜のことでしたので、まったく様子が知られません。うねうねとした山道を帰りながら、本当に存在する場所なのか確証が持てないまま、23時過ぎに京都洛中に戻ってきました。


松上げ2.jpg


松上げ4.jpg

すごくフォトジェニックなお祭りなので、カメラマンがたくさんいました。
私もたくさん写真をとりましたが、テクニックがないとなかなか上手く撮れませんね。



かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

  • 作者: 白洲 正子
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 1991/04/03
  • メディア: 文庫



タグ:神事
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特別公開 東大寺大仏縁起絵巻(東大寺ミュージアム) [寺・神社]

東大寺大仏縁起絵巻 1.jpg
特別公開 東大寺大仏縁起絵巻(東大寺ミュージアム)
2017年8月1日(火)~9月30日(土)
東大寺ミュージアム

東大寺大仏縁起絵巻は、室町時代後期に東大寺の祐全(ゆうぜん)が勧進僧となり、興福寺絵所芝座の絵師 琳賢(りんけん)が画を描き、詞書は上巻が後奈良天皇、中巻が青蓮院宮尊鎮法親王、下巻が西室公順によって書写されたそうです。保存修理後の特別公開で中巻をみました。どうも人の顔がバタ臭くて悪人ぽいんですよね…。大仏造立にあたって奥州から金が献上された場面も“しめしめ”って感じです。お寺の縁起絵巻には似つかわしくない絵柄だなぁ。でも、ピンクとレモンイエローの雲の色がとってもきれいでした。大仏を鋳造する鋳物師が25人なのは二十五菩薩に由来するんですって。二十五菩薩には今しがた、奈良博の源信展でお会いしたばかり。鋳物師に親近感です。


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東大寺大仏縁起絵巻(中巻)


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神奈川の秘仏開帳巡り ②龍峰寺(海老名市) [寺・神社]

海老名には相模国の国分寺・国分尼寺があったそうです。海老名がそんな古い歴史を持つとは知りませんでした。白洲正子が「国分寺のあるところは、どこでも眺めのいい場所」(西国巡礼)と記しているとおり、海老名の国分寺跡地も西に大山を遠望するとても気持ちのいい場所でした。

龍峰寺は国分寺跡から歩いて15分ほど、清水寺公園内にあります。清水寺(せいすいじ)は国分尼寺境内にあった湧河寺がその前身だそう。その名前から京都の清水寺と同じように水が湧き出る場所だったのでしょう。明治の廃仏毀釈でなくなってしまいますが観音堂は残され、龍峰寺に組み込まれました。その観音堂に祀られているのがその名のとおり「清水寺式千手観音」。脇手の一組を頭上に組んで化仏を戴くお姿で、像高が2m近くもある立派なお像です(毎年3月17日とお正月に開帳)。法被を着た地域の方々がご開帳を取り仕切られていて、観音堂で立ち合いされているおじさんが「どこから来たの?」「写真もいいよ~」なんて気軽に声をかけてくれました。そして、おそらく昔と変わらない大山の雄姿がここ龍峰寺からも望まれました。

新羽の西方寺にしても、海老名の龍峰寺にしても、通勤圏の住宅街にこんな古い歴史を持つお寺や仏像が残されているなんて、関西の仏像めぐりでは味わうことのない新たな気づきでした。日常のなかにひょっこりと顔をのぞかせるいにしえの気配。帰りの小田急線に揺られながら、とても穏やかな気持ちになりました。


海老名 国分寺跡.jpg
相模国国分寺跡から望む大山


タグ:秘仏 開帳
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神奈川の秘仏開帳巡り ①西方寺(横浜市港北区) [寺・神社]

3月17日、神奈川の2ヶ寺で秘仏のご開帳がありました。住宅地の真っただ中のお寺に、思った以上に出来の良い仏像が守り伝えられていて、なにもしていないけれど県民として誇りに思えます。

まずは横浜市営地下鉄ブルーライン 新羽駅下車徒歩5分の西方寺へ。周辺は港北ニュータウンの新興住宅地かと思っていましたが、「新羽」という地名は鎌倉時代にさかのぼるそう。室町時代、鶴見川を通じて鎌倉との行き来があった場所にお寺が建てられたみたいです。その西方寺は参道からして雰囲気がよく、山門も本堂も茅葺屋根。古寺の趣きが濃厚に残っていて、なんだか奈良に旅行に来たみたいでした。

ご開帳は平安末期の作とされる秘仏 十一面観音菩薩立像。西方寺が新羽に移ってきた以前からこの地に伝えられていたそうです。東日本大震災で破損し、修復を終えてお帰りになられた記念のご開帳。とても穏やかな立ち姿で、地方仏の粗忽な感じはなく、素朴ながらやさしくて心安らぎました。この修復を機に後補の漆箔が除かれて、修復前の写真のお姿からはかなり印象が変わられています。平安時代から守り伝えられてきた観音さまが大震災をきっかけに本来の姿に戻られたと思うと、ご開帳の重みがしみじみと感じられました。

西方寺.jpg
西方寺の参道



タグ:秘仏 開帳
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2年目の修二会の聴聞 [寺・神社]

昨年に続いて2回目の修二会の聴聞(そのときの記事)。不思議な居心地に病みつきになりそうです。法会のおおむねの流れも分かるようになったし、いくつかの声明のメロディーも口ずさめるようになりました。でも、その意味するところはやっぱりさっぱり分からない。その謎なところが魅力です。

改めて感じるのは、すごく寒い…。ヒートテックとダウンを着込んで、ホッカイロも欠かせません。それでも凍えるほどなのに、練行衆は紙衣…あり得ないです。それも連日ですよ。睡眠時間はほとんどないだろうし、食事は1日1食。修行とはいえ、ちょっとやそっとじゃ務まらない。お堂を出入りする練行衆に対して仏さまにするように自然と手を合わせてしまうのでした。


夜の二月堂.jpg
夜の二月堂

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大徳寺聚光院 創建450年記念 特別公開 [寺・神社]

大徳寺聚光院.jpg
大徳寺聚光院 創建450年記念 特別公開
2016年3月1日(火)~2017年3月26日(日)
大徳寺聚光院

狩野永徳の国宝障壁画が京都国立博物館から元あった大徳寺聚光院に里帰り中。予約拝観、拝観料2000円という上から目線の姿勢です。JR東海のCMにもなっているし、見ておかなくちゃと駆け込み拝観。説明の方と一緒に、本堂の障壁画だけでなく、お茶室や書院も合わせて約40分のコースでした。新しい書院には千住博画伯の襖絵「滝」が収められています。聚光院は茶道三千家の歴代墓所ともなっているそう。だから、手入れが行き届いていて、お金がかかっていそうなのですね。強気の価格設定もうなずけました。


大徳寺 聚光院.jpg


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