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岩佐又兵衛と源氏絵-<古典>への挑戦(出光石油) [美術展]

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2017年1月8日(日)~2月5日(日)

岩佐又兵衛の描くアクの強い人物像と源氏物語の風雅な登場人物は対極にあるような気がします。だけど、岩佐派は源氏絵をたくさん手掛けているんですね。

会場では”本流”の源氏絵として、最初に土佐光信の画帖が展示されていました。小さい画面に細密に描かれていて、キレイだなとは思うけれど、それだけ。印象には残りません。人物の描き分けも定型化していて、同じような顔と当たり障りのない姿。

この土佐派の源氏絵と比べると、岩佐派の源氏絵がどれだけ異端かわかります。豊頬長頤(ほうきょうちょうい)の光源氏は俗っぽくて「もののあわれ」からは程遠く、紫式部が見たら怒り出すんじゃないかしら…。だけど、高尚な源氏物語が身近には感じられます。

例えば「野々宮図」は源氏物語の賢木(さかき)の巻の一場面。鳥居の下にたたずんで、昔の恋人 六条御息所を訪ねる光源氏を描いています。高貴な貴人には見えないけれど、六条御息所との別れを惜しむ感情がしみじみと伝わってきます。ちゃんと血の通った人物がそこに描かれているのです。源氏絵としては邪道だとしても心を動かされます。

嬉しいことに、大好きな又兵衛筆の「歌仙図」も出品されていました。「三十六歌仙・和漢故事説話図屏風」では屏風の上部に36人の歌人が一列に並んで描かれています。上畳に思い思いに座ってくつろいでいる様子は微笑ましく、まるでお酒が入った宴席の最中みたい。特に「伊勢」のオバサン顔が親しみ深くて魅力的でした。やっぱり又兵衛の真骨頂は歌仙図です。いつか「岩佐又兵衛と歌仙図」という展覧会が見られるといいなぁ(関連記事)。


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世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画(サントリー美術館) [美術展]

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2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月・祝)
サントリー美術館

なじみのない分野や知らない画家の展覧会に行くきっかけは、ちらしの作品写真だったり、SNSの評判だったりします。秋田藩士が描いたという秋田蘭画、ちらしの作品はどこか気味悪く足が向かなかったのですが、各所での良い評判を聞くにつけ、終了間近に駆け込みました。

でも、西洋絵画とも日本画ともいえない画風になんだかゾワゾワしました。遠近法や陰影法などの「技法」に縛られているからなのか、窮屈そうで絵を描く楽しさや自由さが感じられません。それに、作品の解説文を読んでもどこかスッキリとしないところがあって、巧妙に何かが隠されているような不穏な空気を感じました。

気持ち悪いのでいろいろ調べると、案の定、でてきました。代表的な画家の小野田直武は平賀源内の秋田来訪をきっかけに江戸に上がったそうですが、源内はのちに投獄され、その直後に直武は秋田へ帰国、翌年に急死(満30歳没)したんですって。なんだか事件のにおいがします。それに源内は男色家だったというから…。秋田蘭画に感じる窮屈さは技法というより、精神的な閉塞感が影響しているのかしら。小野田直武に秋田蘭画を学んだという秋田藩主の佐竹曙山も癇癪持ちで難しい性格だったらしいです。何人もの部下を亡き者にしたとか…。

お正月早々、気分が落ち込む秋田蘭画でした。これほど苦手な絵もなかなかないなぁ。第一印象は大事にしようと思った年初めでした。

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博物館に初もうで 新年を寿ぐ鳥たち(東京国立博物館) [美術展]

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2017年1月2日(月)~1月29日(日)
東京国立博物館

今年も東博の「博物館に初もうで」で新年をスタートしました。国宝の特別公開や干支にちなんだ動物の特集展示などお正月にぴったりの企画が満載。毎年通っています。

2017年の鑑賞はじめ、最初の作品は1階展示室の入口にいらっしゃった京都 大将軍八神社蔵の「男神坐像」。一目見てひれ伏したくなるような威光を放っていらっしゃる神像で、展示室ということを忘れて思わず手を合わせてしまいました。

2階の国宝室にはお正月恒例の長谷川等伯「松林図屏風」。今年もたくさんの鑑賞者が松の幽霊に誘われて、松林の中をさまよっていました。国宝はその他にも「古今和歌集(元永本)」、「扇面法華経冊子」、本阿弥光悦「舟橋蒔絵硯箱」など大盤振る舞いです。

歌人を描いた「新三十六歌仙図帖」は狩野探幽筆。私は岩佐又兵衛の個性的な歌仙図が大好きなのですが、探幽の歌仙図は華やかだけどフツーです。

特集展示「新年を寿ぐ鳥たち」も見どころ満載。鈴木春信はやっぱりいいなぁ。「鶏に餌をやる男女」、娘の腕の中でおとなしく抱っこされている鶏がシュールで夢の中の出来事みたい。そして「竹鶏図」(重文)の鶏の憎たらしい顔ったら!全然、寿いでるように見えないよ…「新年を寿ぐ鳥たち」って皮肉かしら。お正月からすごいの出してきましたね。こういうの大好きです。2017年も東博にはたくさんお世話になりそう。今年もよろしくお願いいたします。


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重要文化財 男神坐像(大将軍八神社蔵、平安時代)


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国宝 古今和歌集(元永本) 上帖(平安時代・12世紀)


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国宝 扇面法華経冊子(平安時代・12世紀)
雀がいました


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新三十六歌仙図帖(狩野探幽、江戸時代・17世紀)


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鶏に餌をやる男女(鈴木春信、江戸時代・18世紀)


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重要文化財 竹鶏図(蘿窓、南宋時代・13世紀)



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2016年の総まとめ [美術展]

2016年、たくさんの展覧会に足を運び、また京都や奈良の社寺をめぐることができました。とくに印象に残っている事柄をまとめておきます。

・神仏を称える3つの行事に初参加。いづれも忘れがたい時間です。
 3月 東大寺修二会 行法の聴聞
 7月 京都祇園祭 後祭りの山鉾巡行
 12月 春日大社おん祭り

・展覧会のマイベストは、
 信貴山縁起絵巻展(奈良国立博物館)の全巻全場面同時公開。
 さらに、鍋島焼展(戸栗美術館)も至福のひとときでした、

・やはり、
 岩佐又兵衛展(福井県立美術館)
 鈴木其一展(サントリー美術館)
 円山応挙展(根津美術館)
 安田靫彦展(東京国立近代美術館)
 速水御舟展(山種美術館)
 など一人を特集した展覧会はよかったです。

 そうそう、伊藤若冲展(東京都美術館)も忘れちゃいけいません。

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戦国時代展(東京都江戸東京博物館) [美術展]

戦国時代展.jpg
2016年11月23日(水・祝)~2017年1月29日(日)
東京都江戸東京博物館

「武士と印刷」に続いて武士関係の展覧会。年末気分にせかされ、戦国時代に興味はないのに足を運びました。実際、武将も知らない人ばかりだし、合戦の名前も分からないし、自分の知識のなさを実感。

そんな私でも気になったのは「浅井長政像」(滋賀・小谷城址保勝会)。浅井長政って織田信長の妹で絶世の美女 お市の方と結婚した武将ですよね。美男美女のお似合いカップルと言われてましたよね。この長政、かっこよくない…。色白でふっくら、男らしさが感じられず、イメージと全然違って勝手にがっかりしました。

あと面白かったのは、毛利元就の三子教訓状(毛利博物館)。有名な三本の矢のエピソードの由来となった父親から三人の息子へのお手紙です。なにしろこの手紙が長い。3メートルもつらつらと書き綴られています。解説の現代語訳を読んでみると、あまりに心配性でくどいのに笑ってしまいました。死んだ妻(息子にとっては母親)のことや嫁いだ姉妹のことを持ち出して同情を誘ったり、これまでの戦いの悪行を言って脅かしたり、お日様や厳島神社への信仰を強要したり、とにかく必死。でも、熱過ぎて息子たちには逆効果じゃないかなぁ。実はこの三子教訓状には、三本の矢のたとえ話はないんですって。でも元就のこの必死さが今に伝わるエピソードを生み出したのだろうなぁ。


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